2005-01-01から1年間の記事一覧
◇早くしないと終わってしまうので、取り急ぎ展覧会のご紹介。川端龍子(1885−1966)は、大正期から昭和40年代に活躍した日本画家。洋画からスタートして、独自に日本画に取り組んだというのが特徴。型破りの大作を次々と製作し、「近代日本画の異端者」「在…
「予想された結末」 ◇「やはりこうなったか」。id:leleleさんのブログでの「仲正×北田トークセッション中止」の告知*1を見ての、私の感想である。11/13に行われた両氏の第2回トークセッション(特にその後半)は、9/11の充実した第1回とは打って変わって…
「戦後責任論」のねじれ ◇当ブログでも「歴史教科書問題」「靖国問題」について多く触れてきた。また、やはりWeb上を見ていると、やはり若い人々を中心に この「ニセ社会問題」に直面し混乱して、人生の貴重な時間を無駄にしている人もいるようである。そこ…
◇そういえば、上の「実存的問題」について言えば、「過剰な意味の追求が人間を非人間的状況へ追い込む」ということはずっと気になっている。私はうまく書けないのだけれど、内田樹氏や仲正昌樹氏が「正義」と「不自由」問題の文脈で縷説されているので、そち…
◇当ブログはついに月刊ブログ化か? 先月は1エントリしか書いてない。なんてサボっていたら、id:amgunさんからお誘いがあり、思想史リングに参加することになった。本格的に何かが動き出したわけではないものの、id:massunnkさんのダイアリー(古典的人文系…
◇我ながらブログというにはあまりに怠慢…なんと10月初エントリではないか! 書きたいことは沢山あるのだが、地が不勉強ゆえ書くのが追いつかない今日この頃。予告すると考えすぎてかけなくなるのも相変わらずだ。 ◇この休眠中も、「歴史問題」「靖国問題」を…
◇今週の印刷媒体記事から、今まで当ブログのエントリで書いてきた「文化戦争」*1に関係しそうなものを、2つほどつまみ食い的に紹介(記憶で書いているのでやや不正確かもしれません)。 中国指導部「小泉ショック」か(上村幸治氏「インサイド中国」『サン…
◇すでに多くの方が書いているように、今回の「自民党圧勝、民主党惨敗」という選挙結果は、小選挙区制度の特性から言って当然と言えば当然のもの。昨日のTV番組での街角コメントで「これじゃ2大政党じゃないよ」というのがあったが、いえいえこれこそ正に2…
藤木久志『刀狩り−武器を封印した民衆−』(岩波新書)*1紹介と蛇足 豊臣秀吉の政権は、…その力を背景に、武装解除を目指して、農村からあらゆる武器を徹底的に没収し、民衆を完全に無抵抗にしてしまった…この見方は、いま、ほとんど国民の通念といえるほど根…
それでは次に、小泉「構造改革」なるものの実質は、どのように評価されるのか。この点について詳細に論じる力量は私にはないので、これもよく言えば長期的、要するに大雑把な歴史状況から説明を試みたい(周知の事柄も多いと思われるが、「孫の手」なので、…
◇今回の解散総選挙劇の序盤では、「郵政反対議員vs刺客候補」なる図式に注目が集まった。小泉首相の政権運営は「独裁的」と批判されることも多い。それらは小泉首相の特異なキャラクター(「非情」「変人以上」)に還元されやすいわけだが、これは本当にそう…
◇さあ総選挙ネタを書こう*1と思ったら、公職選挙法なんて厄介なものがあるんだよね(木走さんのまとめ参照*2)。現在の規定上は、私が当初書こうと思っていたことを書くと形式上バリバリ引っかかる。以下は一応、条文を読んで、それに対応して書いたつもり(…
目次 【1:前口上】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【2:小泉「劇場」政治と「政治の2001年体制」】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【3:私たちの時代の「文化戦争」】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 (全文を表示するには、09-05の日付をクリック…
◇このブログで問題にした*1「宗教性」についての記事を一つ(また、予告と違うものから書く、移り気な私。困るね)。最近、飲み会で(知人Xさん)「哲学や心理学も知っておいた方がいいと思ったんですけどね〜」(私P)「あれは下手にやると絶対落とし穴には…
◇そんなつもりもなかったのが、8月はこれで2回目。今まであまりに不勉強だったお陰で、最近本を読むのが面白くて、書く方はおろそかに…。ペースは上がらないかもしれないが、準備中の総選挙ネタ・連載ネタをそろそろ書かないと(賞味期限切れ迫る)。読ん…
◇『毎日新聞』の広告ではないけれど、前回の続き。夕刊で昨日から開始。「8月ジャーナリズム」で戦争報道というのはお決まりパターンだったが、占領期についての新聞での特集記事は案外珍しいのではないか。 ◇昨日の夕刊1面予告記事によれば、「占領期は現…
◇反日デモの一時的盛り上がりを経て、国内ではついに本当に解散総選挙。ついでに、8/15靖国参拝もうやむやになった今日この頃。至極静かな「終戦記念日」を迎えたわけだが、『毎日新聞』の特異な紙面(下に紹介)に触発され、産経・読売・朝日の朝刊を買っ…
本日『毎日新聞』朝刊6面「論点…『電車男』ヒットの背景」 ◇ネット系の話題ははっきり言って少ない『毎日新聞』が、遅ればせながら「電車男」現象を1面分の「論点」欄(論者3人)で扱う。東浩紀先生のほかに、精神科医(トラウマ系で有名)・小西聖子氏と…
◇夕方、子連れで散歩に出かけたら、川口駅西口リリアパークでやっていた、「国際交流フェスティヴァル」に遭遇。どういう催しなのかもよく知らないが、とりあえず目に付いた光景と感想だけ。 ◇まず聞こえてきたのが、ステージ上からの津軽三味線合奏。そうい…
石田衣良「空は、今日も、青いか?(12)世界に100人の神様がいるなら」 ◇またまた『R25』隔週連載エセーをネタにしつつ、表題の件を考える。今回の一文は、7・7ロンドン同時爆破テロと、その前後にもやむことのないイラクでの自爆テロについて。『世界が…
◇どちらもすでに先月出ていたようだが、安藤礼二氏に焦点を絞って本と雑誌の2冊を紹介。ついでに、またまた人文系アカデミズムについて。 KAWADE道の手帳『西田幾多郎 没後60年・永遠に読み返される哲学』 ◇立体的な雑誌型編集で、哲学者・西田幾多郎のテキ…
◇2008年、台湾総統選挙の国民党候補者。 櫻井よしこ「日本ルネッサンス」(『週刊新潮』) 国民党の「黒金(裏金)」にメスを入れ、小泉的に「国民党をぶっ壊す」位置づけの人物と見る(背景に外省人の内部対立があるという)。 金子秀敏(毎日新聞論説委員…
◇ロンドン同時爆破テロを受けての日本の印刷媒体などの論調を見るに、初発から冷静な受け止め方が目立った(対岸の火事?)が、ここに来て「なぜテロは起こるのか」という根本問題への言及をいくつか見かける。 昨日の『R25』フロント・ページ 「テロの背景…
三浦雅士から(強引に)「東アジア思想史」「三教一致」「心学」へ ◇三浦雅士の小林秀雄批判は、氏の「青春」論の文脈からする、思想史的で相当に射程の長いものであるようだ*1。前回、三浦氏の書評欄コラムを簡単に紹介(三浦雅士「小林秀雄は批評家ではな…
◇先日のコメント暴発事件以来、当ブログの書き方についても反省してみた。「勝手に」「あえて」と断って書いていたとはいえ、やはり「無責任」な言葉や、皮肉を効かせたつもりが嫌味だったり攻撃的だったりした場合があったのではないか(あるある←っつうか…
「この人・この3冊:編集者としての小林秀雄」 from『毎日新聞』本日9面 ◇刺激的な冒頭の一文に続けて言う、「批評の方法については怪しいものだが、編集については、方法といい業績といい第一級である」と。高校時代、教科書に載っていた小林秀雄の悪文に…
「福田和也の闘う時評159:論文が作品になる学者」 from『週刊新潮』(13日水曜日発売) ◇福田和也が右翼的言説を展開しつつも「司馬史観」に否定的なのは自明かもしれないが、その立場を示すコンパクトで新しい事例として、上記記事の要点を紹介。 ◇記事は…
◇当ブログに関することなので分類上「雑談」としておきますが、今回は謝罪と反省の意味でこの記事を書いています。今朝ほど、はてな界隈では説明は不要でしょうが、id:leleleさんのページで私は以下のようなコメントを書き込みました。 失礼至極ですのですぐ…
◇当ブログ上でしばしば「三教一致」という用語を用いてきているが、なかなかその意義を直接的に説明するのは難しい。日本あるいは東アジア、さらに広げてアジアの思想史の分野というのは、ヨーロッパの思想史研究の密度とは比較にならないぐらい薄い。という…
◇前回に続いて、『創』8月号の記事紹介と、それに関連する私の勝手な見解を少々。 唐沢俊一氏・岡田斗司夫氏の連載「オタク清談」 ◇お題は「"萌え"の経済効果」。「昨年8月の野村総研資料でのオタク市場規模2900億円」「今年4月の横浜銀行発表の『萌え』…