第15回オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会の感想

◇ここのところすこぶる多忙だったわけだが、これは行かなくてはならない。ショスタコーヴィチ専門アマオケの年に1回限りの定期演奏会*1。しかし、他の人も言うように(本エントリ末尾の感想リンク集参照)、セミプロかある意味ではプロ以上のオーケストラであ…

【2:国際情勢から見た「大敗」―「安倍不要」の時代背景】

◇さて、安倍晋三率いる自民党は、なぜ大敗したか。まずは、「大状況」としての国際情勢から。 ◇安倍政権の最大の成果として、小泉時代に冷却しきっていた中国・韓国との関係改善を実現したことだろうことは衆目が一致する。しかし、ゴリゴリ右翼が安倍の方針…

【1:「大敗でも続投」こそ「2001年型首相」の取るべき道―「中間選挙」としての参院選】

◇7/22『毎日新聞』の「自民党30〜40、公明党8〜13」の獲得議席推計を見て、「まさかここまではないだろう、どうしちゃったんだ毎日は」と思ったのだが、結果はその枠内にきちんと収まっていた。何が起こったのか。そして、それでも安倍晋三首相は続投する…

 「政治改革の15年」から見た安倍首相続投状況

目次 「【1:「大敗でも続投」こそ「2001年型首相」の取るべき道―「中間選挙」としての参院選】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評」 「【2:国際情勢から見た「大敗」―「安倍不要」の時代背景】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評」 「【3:私たちの時代の「…

【4:民主党政権への賛否と次なる政治課題】

私たちが信用するもの ◇さて、「小泉セオリー」による自民党大敗の原因について、という当初の問題に戻る。中西寛氏は、「ニュー自民党の継承に躓いた安倍政権」(『中央公論』9月号の「時評2007」欄)で、次のように述べている。 この大敗は直接的には安倍…

【3:私たちの時代の「政治改革」】

◇安倍自民党大敗の原因をより長期的な、国内の政治変動の観点から見てみたい。まず、1990年代に展開された無数の「政治改革」の議論について振り返り、その時代状況に関する卑近な事例を取り上げた後で、再び参議院選挙後の政治状況への見通しをまとめてみる…

 7.29参議院選挙に想うこと(後半を掲載)

◇丸々1ヵ月近くかかって、ようやっと最後まで書いた。時間がなくて、情報を整理できず、だらだらと長くなってしまったのは残念。 ◇後半の3節も、7/18のエントリに続けて掲載したので、古い日記扱いを避けるべく、リンクを載せておきたい。 【4:参議院…

【3:安倍政権の混迷―その心理と論理】

◇私は、「頭ではおかしいと分かっていても、体が反応してしまう小泉政権」(坪内祐三)をあえて支持することを、積極的かつ両義的に表明し続けていた。しかし、安倍政権については発足前に一度間接的に触れた*1だけで、言及することそのものを保留してきた。…

【2:「安倍・小沢状況」の曖昧さ】

◇そんな中で、この選挙で「大状況」を語りにくい最大の理由は、日本の政治状況そのものが停滞していることと言えるのではないだろうか。民主党の枝野幸男が批判するように*1、「安倍・小沢状況」は小泉時代に比べると「1955年体制ぶりかえし」的状況としか言…

【1:ポスト小泉時代の小康の中で―隠れた「大状況」】

◇今回の7/29参議院選挙は、多くの有権者の関心の高さ*1とは裏腹に、日本を取り巻く「大状況」を語りにくい選挙という印象をぬぐいさることができない。 ◇2005.9.11総選挙に臨んでは、私も―というか、私なぞが―「私たちの時代の『文化戦争』」*2なる一文を…

 7.29参議院選挙に想うこと

目次 【1:ポスト小泉時代の小康の中で―隠れた「大状況」】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【2:「安倍・小沢状況」の曖昧さ】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【3:安倍政権の混迷―その心理と論理】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【4:参議院の位…

【6:久間章生防衛大臣「原爆容認発言」を改めて弁護する】

分断された議論? ◇久間防衛大臣が6月30日の講演で「原爆投下容認とも受け取れる」発言をし、7月3日辞任した。その直後に書かれた、ブログを何件かちらと見たが、とりあえずベタなメディア論調迎合の書き込みしかなかった。例えば、「大臣失格だよね」「…

【5:世論調査と選挙結果―「アナウンス効果」はどれだけあるか】

◇選挙戦も終盤となり、公示後の世論調査結果、さらにはそれを受けての情勢記事なども各種メディアに出てきている。私はあくまで政治の素人であるから、素人なりの視点で選挙後の情勢を展望しておきたい。 ◇以下、世論調査の結果を見ながら実際の投票行動を推…

【4:参議院の位置づけ問題】

◇年金問題対応への不信感に火がついてから、久間章生防衛大臣「原爆容認」発言への非難の嵐と辞任劇、赤城徳彦農林大臣の事務所費疑惑、消費税率上げの争点化など、安倍内閣には「逆風」が吹き付けた。すでに公示前の時点で、6/30、7/1の世論調査では、…

 たまきはまらず?

◇本日は、不謹慎ながら、また(歯科医一家の件以来?)メディア企業ならびにその周辺のライターと称する人たちが、こぞって食いつきそうな「首を持って自首」報道あり。この種の事件に、殊更に「人間性」ないし「反人間性」を読み込もうとする手口がいまやい…

 「こうのとりのゆりかご」事件

◇熊本、慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」(俗称「赤ちゃんポスト」)設置については、1986年以降の群馬県の施設の例も知っていたので*1、私はいろいろな可能性を含んだうえで反対ではなかった。しかし、開設初日から、3〜4歳の児童が置き去りにされたと…

 靉光展に行ってきた

◇生誕100年記念の「靉光(あいみつ)展」*1に行ってきた。戦時期日本の重要な画家の大規模な回顧展。会場は、竹橋の東京国立近代美術館(MOMAT)――近年「アジアのキュビスム」*2「琳派」など企画力のある展覧会が続いており、私にとっては最も行く機会が多い…

 大指揮者ロストロポーヴィチを悼む

◇4/28、新聞でロストロポーヴィチの訃報に接する。チェリストとしては多くの人が書いているので、指揮者・ピアニストとしての側面に触れた3/9の一文を再録する。 [ショスタコーヴィチの交響曲第15番について]パッサカリアの入念な歌い込みなどから、…

 「たまきはるいのち」を奪うものへの抵抗(その2 子育ての論)

1.佐藤俊樹「世間にうずまく『子育てデフレスパイラル』」(『中央公論』4月号*1「時評2007」)より ◇社会学者として、多面的に活躍する佐藤氏。この『中央公論』の2ページの時評でも、毎月なかなかの存在感を見せている。 ◇標題の「スパイラル」の含意…

 「たまきはるいのち」を奪うものへの抵抗(その1 はじめに)

1.自分の文章への反省 ◇私の書く文章は、よく言えば「総合的」、実際はいくつかの主題がごちゃまぜになっていて、たぶん他人からは恐ろしく読みにくいだろう。今まで[時事評論]として書いてきたものは、なべてそうした傾向がある。(ブログとしては異例に…

 オーケストラ・ダスビダーニャ第14回定期演奏会の感想

◇前回のダスビ定期のエントリ*1から1年以上経っているのが、信じられない。30代になり、子どもができてからというもの、1年間が「20代までの3ヵ月」くらいの感覚で過ぎていく…。 ◇さて、3月4日(日)池袋・東京芸術劇場大ホール、標記の演奏会に行ってき…

 赤坂議員宿舎にどうぞ入居してください。

◇今朝の『毎日新聞』に赤坂議員宿舎の問題が*1。低家賃批判があるそうだが、こういう分かりやすいが、最初から大した問題ではない(要するにひがみで終わってしまう)ことで世間が騒ぐのはどうなのか。結局、何のために建設したんだという話になってしまう。…

 AKGミニ・ヘッドホンK26P購入

◇私はあんまりオーディオのハードの方にお金をかけない人なのだが(ソフトにかけ過ぎで)、今回、ミニ・ヘッドホンを購入。前からのものは、どこの電器店でも売っている2,000円台の開放型で、音漏れは多く、外部音で聴こえない、スポンジ剥がれかけという悲…

 カウントダウンからA HAPPY NEW YEARへ、そして処刑・陵墓から「世間」論まで

ロマノフ家の生まれそこないたち(?)が2007年新春の日本に出現? ピョートル4世(以下ピョ)◆明けましておめでとう! けど参った、昨日は寝入り端を起こされたよ。 ニコライ3世(以下ニコ)◎年越しに寝てたわけ? ピョ◆小さい子どもがいるから、夜はいつ…

 私の格率(私的原則)について

◇先日来、私的な雑談が続くが、自分の明らかな画期があったので書いて明らかにしておきたい。 ◇今後の格率(Maxime、私的な行為原則)が定まった。 考え続けること(推論の繰り返し)。 <自由>と<自立>を目的とする。 私的価値観は、あくまで「三教一致…

 「鬱にも負けず」(私たちの「闘病生活」−<自由>と<自立>への宣言へ)

鬱にも負けず ハイテンションなごまかしにならず 医者から貰った診断名で物事を決めず 「オーダーメード・ハッピー・システム」*1を自明とせず 丈夫な体を持ち 慾は無く 決して怒らず いつも静かに笑っている 一日に論文を4本と 新聞と少しの書籍を読み あ…