再び石田衣良と文芸について(+枡野浩一氏のコメント)

◇昨日のR25巻末エセ−。今回はネタがないのをネタにして書き出していた。本人が「職業作家生活も7年目を迎えて、ぼくもずるくなりました」と書くように、これはこれで作家らしい文章ではある。しかし、途中まで、藤井フミヤの依頼を受けての作詞初体験を思い出したりしてがんばっていたのだが、後半はさんま御殿の収録を思い出して、女性の尻と胸とどっち好き派かを取り上げて、これまた分析を加えたりしていたのだが、最後はあなたはどっち?という「重要度の高いクエスチョン」で終わってしまった。とにかく締め切りに追われて書いた臨場感はよく伝わってきた。
◇そういえば最近歌人枡野浩一はてな上で絡まれて、本気で返答していた*1。これも文芸に携わる職業人らしさは伝わってくる。近頃ようやく終わった毎日新聞金紙&銀紙コラムもとりあえず読みにくくてつまらなかったが、なんとなく何回か読んでしまった記憶がある。私も残念ながら短歌は読んでいない(失礼、たまたまです)。
中原昌也もどこかで誰かが「新人賞以下」とこきおろしていたが、それでも時々読んでしまい、気になってしまうのはなぜだろう? まだ何かあるのか?と思わせるからだろうか。生活が苦しそうなのは文体の端々からも伝わってくる*2高橋源一郎も作品はともかくとして、存在感はどんどん高まっているような気がする。
◇日本の文芸はどうもこういう身も蓋もないところに落ち込んでいくことがあるようだが、これは何か日本社会の特質を反映しているのだろうか。それでも時折凄いものが出てくるから期待しているが、少なくとも私は作家にはなれそうもない。