呉儀副首相の緊急帰国

◇中国の呉儀副首相が「緊急」帰国。小泉首相との会談ドタキャン。これでまた、激怒する向きもあるのかもしれないが。最近の現象をみていると、中国共産イデオロギー独裁帝国はこれで大丈夫なのか? と他人事ながら心配になっている。国内の社会矛盾を反映して、指導部内にも深刻な分裂ないし膠着状態が出来しているのではないか。
ワシントンポストあたりでは(私がきちんと読んでるわけはないが)、例の反日デモ・暴動と同時期に、中国農村で党幹部が村の老人をひき殺した事故を巡って、村民と警察が衝突し警察側に数十名の死者がでた云々と報じていた(ように記憶しているが、あてにならない)。しかし、どうやってこんなネタを取材してるんだろう? なぜ日本の報道機関にはできないんだろう? 不思議。
◇今回の事態も、靖国問題のあてつけにわざとやったにしてはあまりにお粗末。日本よりも情報戦略が下手なわけではないと思うのだが(北朝鮮核開発の黒幕説もあるしね)。上海万博・北京五輪は大丈夫なのか、最近時々不安になる。あんなでかい国が混乱すると対岸の火事と呑気にかまえていられないし*1。なにしろ(過去の戦争にとんでもない局面が多々あったにしても)私にはいい迷惑である(今のところまだ実害はないが)。
◇「若い国」の勇み足は指導部にも国民にもあるだろう。誰かもどこかで(失念)書いていたが反日デモ・暴動も、日本でいえば「60年安保」のようなものだと私は理解している。日本国がチベット・新疆・満州・モンゴル・台湾・ヴェトナム・インドなどまた欧米社会に徹底的な情報戦術を仕掛けて、中国の平和的な解体を目指すなんてこともできないだろうしね。

*1:そういえば、「人体の不思議展」の「実物」は、不法に入手された中国人の「人体」だという記事が最近のSAPIOに出ていた(もちろん真偽不明)。平和に見ている人にいちゃもんつける気はありませんが。