【6】ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団★★★★

1989年12月スタジオ
ドイツ・グラモフォン再発1998年(4594152)
54:49(13:49/17:01/10:30/13:30)
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番(初発盤)
◇今回の聴き比べのために急遽購入。前から存在は知っていたし、ヤルヴィ盤はリムスキー=コルサコフグラズノフ管弦楽曲の決定盤にしているくらいで好きだが、ショスタコーヴィチでは第15番にもカップリングされていた交響詩「10月」が例の弱点丸出しの悲しい演奏だったので、注目していなかった。
◇しかし、すでに定評あるように(下のHMVリンク先参照)、弱点のないバランスのよい演奏。収録時間を見ると速めだが、ことさらに急ぐような印象は全く受けず、堂々とした雰囲気のある演奏。また、録音も「超優秀」なので、最初に聴いたら「これで充分」と思いそうなのは理解できる。
1.最初の銃声はやや軽いが、後段の展開は超高速。ただし、音色はやや軽め。ここで、音量全開のオーケストラとは全く別空間で、銅鑼が花火のように「じゅわーん、じゅわーん」と響き続けるのは、いくらなんでもの「超録音」。旧ポリドール系の作り込みが見え見えで、私は感興を殺がれる気がする。
2.普通に美しいのだが、ヴィオラの音色がグリーグの『ホルベアの時代から』と同様で、イマイチ乗れない。譜面上はそう書いてあるわけだからしょうがないといえばしょうがないが。
3.出だしの押し出しはかなり良い。「ズズンバシバシ」は、正にここのためにバッチリ決めてます、という感じで見事。
4.ファゴットからクラリネット、フルートが次々と語りだす感じはなかなか。鐘は響くが残響は少ない。ここでも銅鑼が超録音で、あまり明晰過ぎて混濁がなく、私の基準では霊感を欠く。
◇第12番・「10月」ほかとセットでかなりお得(現在マルチバイ1,804円)
交響曲第11、12番、他 ヤルヴィ&エーテボリ交響楽団 : ショスタコーヴィチ(1906-1975) | HMV&BOOKS online - 459415