スヴェトラーノフのミャスコフスキー交響曲全集を10倍楽しむ方法?

Miaskovsky: Complete Symphonies
◇政治問題、事件、災害打ち続く中ではあるが、私は今しばらく音楽や学芸について語っておきたい。例によって長い(HTML記号を入れて14,000字超)が…。
【目次】

全集リリースの経緯

◇私もこの世界初のミャスコフスキー交響曲全集のリリースには翻弄された1人。スヴェトラ御大が個人的熱意から作成した全世界限定300セット限定盤が10年ほど(?)前タワーレコードにて40,000円くらいで販売されているのを、買おうかどうしようか数度逡巡したものの、そのころはまだミャスコフスキー芸術への理解も進んでおらず、「買っても聴きとおせるのか?」との疑問をぬぐうことができず、購入をあきらめたのであった。
◇その後、2001年から発売された英国OLYMPIAレーベルからの1枚ずつのリリースを購入し始めた。それぞれ聴き始めたものの、やはりまだミャスコフスキー交響曲の晦渋な作風に慣れず、だんだんリリースそのものの間隔も空いていき、中断するぞ中断するぞと危ぶまれた末、OLYMPIAは本当に倒産したらしい。シリーズは2003年に全17集の第10集まで出たところで中断していた。
◇そして、昨年からaltoなるレーベルがOLYMPIAのライセンスを得て、第11集・第12集をリリースした。ところがどっこい、フランスワーナーからリリースされているスヴェトラーノフ・エディションから、16CDで割引適用なら7,000円を切る激安価格により再び全集がリリースされたわけである。
AmazonでMiaskovskyを検索すると1CD数千円〜1万円超のプレミア盤だらけだが。「Amazon.co.jp: miaskovsky」)
◇私もこれを入手して、10年来のミャスコフスキー交響曲との関わりがようやく決着した。そして、今にしてわかるのだが、やはりこの全集は、スヴェトラーノフロシア連邦アカデミー交響楽団(旧ソヴィエト連邦アカデミー交響楽団USSRso)にしか制作しえない傑作だということが言える。

交響曲界の「奥の院

◇ただし、ロシア音楽をリャードフやセルゲイ・タネーエフといったところまで偏愛している私ですら、充分に理解できたと感じられるまで数年かかった(この間に持っているCDを3周はしているが)くらいなので、やはり「ミャスコフスキー交響曲」は、ロシア音楽の、あるいは交響曲界の「奥の院」であることは間違いない。基本的に、スヴェトラーノフマーラーグラズノフラフマニノフスクリャービンの各交響曲全集を先に聞くことをお勧めするが、しかしこの「奥の院に入れた」時点で味わえる到達感は非常に大きい。
◇また今回の全集リリースで厄介なのは、曲のカップリングや音質はOLYMPIA盤より優れているが、解説がほとんどない(リーフレット半ページのリード文はあって内容は適切だが、いかんせん短すぎる)うえに、曲目に誤植があって第18番が第8番になっていたり、第23番は「Symphony-suite」というタイトルしか記載されていなかったり、各楽章の速度表記が序奏のものしか載っていなかったりしてわかりにくい。こうした少ない手がかりしかない状態で27曲の交響曲を聴きとおすのは結構つらいのではないか。
(なので、私は英文解説が欲しいがゆえに残りのalto盤も購入する予定である。…のでまた中断しないことを祈るが)
せっかく意気込んでCDを買ったのに、「何だか作風がよくわからない…」「スヴェトラ御大は好きだけどこれはちょっと…」という状態に陥ってはあまりにもったいないので、ここであえて大それた「スヴェトラーノフミャスコフスキー交響曲全集を10倍楽しむ方法?」なるタイトルを付けて一文をものするゆえんである。10倍とは言わないまでも、この貴重な全集を楽しむよすがとなれば望外の幸いである。
(なお、以下収録CD番号などは、今回のスヴェトラ・エディション全集版による。お薦め作品には★を1〜3個つけておく。)
交響曲の楽章構成などは、ウィキペディア参照。OLYMPIA盤などの手許資料で分かる限り、序奏以外の速度表記を追加し、誤記を直しておいた。「ニコライ・ミャスコフスキー - Wikipedia」。)
(なお、最初に出た限定盤の詳細は、「エフゲニー・スヴェトラーノフのページ ディスク紹介http://homepage3.nifty.com/svetlanov/disc-l-m.htm」で見ることができる。こちらの掲示板でも確かOLYMPIA盤リリース時に「それにしてもはっきりしない変な作風」との嘆きの書き込みがあったと思う。「@niftyホームページサービス - ホームページ作成なら@niftyホームページサービスで!」)

この全集を楽しむための10の方法

(以下、長いのでエントリを分ける。日付をクリックすると全文続けて表示される。)