方法3「短い曲から聴かない」

◇第10番が約16分、第13番が約20分、第21番が約18分、どれも単一楽章作品で、「これくらいなら聴きやすいのでは…」と思うと、思い切り裏切られる。
第10番へ短調Op30(1927)は、「青銅の騎士」を題材にしたR.シュトラウス張りの交響詩だが、お世辞にも聴きやすい曲とはいえない。
第13番変ロ短調Op36(1933)★は、ひたすら暗く難解で、アルバン・ベルクの作品に混ぜておいてもいいような、ミャスコフスキー交響曲奥の院中の奥の院である。シベリウスの第7番同様、分かれば傑作なのは間違いないのだが。
第21番嬰へ短調Op51(1940)★は、ほぼ緩徐楽章だけを取り出した曲で、のっけから深遠な表情。ただし、まぎれもなく名曲なので、チャイコフスキーの悲愴やブルックナーが好きな人なら大丈夫かもしれない。