第18回オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会の1年遅れの感想〜東日本大震災1年の定期演奏会へのはなむけに〜

◆ここに掲げるのは、2011年2月20日にすみだトリフォニー大ホールで行われた、標記の演奏会(長田雅人指揮)の感想である。ダスビの演奏会は毎年定例的に聴かせていただいており、感想も2006年の第13回以降、当ブログで毎年書いていたのだが、一昨年のものは書くのが1年遅れとなり、昨年のものもせいぜい2週間程度で書くはずが、延び延びになって今に及んだ。その理由として、某国家試験受験にかまけていたこともあるが、もちろん3月11日の大震災の経験を外すことはできない。
◆来る2012年3月11日には、ダスビの第19回定期がまたすみだトリフォニーで開かれる(曲目は交響曲第7番「レニングラード」ほか)のだが、今年は特に3月11日開催ということもあって、定期演奏会案内とともに「団長挨拶」がホームページに掲げられている

先の震災で、4人の知人が亡くなりました。また、7月には高校時代の吹奏楽部の同期が急死し、そして8月に入ると、まだ8才の従甥が祖父と共に山で遭難しました。私は、突然思い立って、青森の「ねぶた」と弘前の「ねぷた」、それから仙台の「七夕」を観に行きました。

とあり、東北での祭りの体験、今回のチケットの売上や会場での物品販売の売上(一部の例外を除く)を義援金とする旨、東北のアマオケ向けの募金を行う旨、さらに瓦礫撤去に参加した際に地元のおじいさんが「皆さんありがとう。津波さんも地震さんも、みんなありがとう」と語ったことなど、が綴られている。
◆私の方は、直接の知人に犠牲者はおらず、また阪神大震災の時と同様に、被災地の役に立つ活動とて何もできなかった。しかし、あくまで個人的な体験としてではあるが、この震災後ほど音楽の有難さを感じたことはなかった、ということを書いておきたい。振り返るこの演奏会は、震災前のものであったが、関連するいくつかの演奏会も取り上げて、震災後の音楽についても書いておこうと思う。被災地では「震災後」の日常が続いているが、その中でこそ、幾多の音楽が奏でられ、人々を勇気づけてきたのは間違いのないことだと思うから。