【1:前口上】

◇さあ総選挙ネタを書こう*1と思ったら、公職選挙法なんて厄介なものがあるんだよね(木走さんのまとめ参照*2)。現在の規定上は、私が当初書こうと思っていたことを書くと形式上バリバリ引っかかる。以下は一応、条文を読んで、それに対応して書いたつもり(特定の候補者・政党を推薦し、支持し若しくは反対するものではなく、あくまで今回の選挙をめぐる動向にある背景についての記述)です。こんな微妙な時期に出すけど、そういうことで勘弁してね(別に捕まりたいわけではないので、何か問題あればご指摘を)。
◇もともとこのエントリ(と以下2つ)は、解散の遥か前の7/26に書き始めたものが基になっている。だいたい私のような政治・政治学の素人が、普通に注目されることを書いてもしょうがないので、あまり論調として目立っていないことを、中長期的視点から書いてみたい。
◇昨日メディア各社による世論調査結果も発表されたわけだが、だいたい私の想像どおりの結果だった。当ブログを書き始めてそろそろ4ヶ月になるが、国内政治・国際情勢では(「6月北朝鮮核実験説」はアメリカ情報に誘導されたものの)大体の読みは外していないつもり(「反日デモ」騒動の背景となる国際情勢認識や小泉首相政権運営の手法と国民の反応など。あくまで素人レベルで考えての話ですが)。ということで、こっそりと?今回の選挙についての素人的見通しを書くならば以下の通り。*3

  1. 先週来、株価は実に堅調。経済界は小泉政権支持を盛んに表明していた。普通に考えて、この状況では与党側が負ける要素は全然ない。
  2. 選挙日が某党への配慮から1週間延びたと思われ、序盤(公示前)の盛り上がりからかなりダレてきている。そして、確かに「潮目の変化」はあったのだが、それは必ずしも反小泉政権の方には行っていない。なぜなら野党側の指導力欠如の方がよほど際立っているように見えるから(広報戦略の問題が大きい)。
  3. 公示前の全選挙区情勢*4を新聞でザッと見たところ、地方で2大政党化がはっきり浸透した(かつての「王国」はかなり分解した)のが分かる。しかし、各種メディアの世論調査でもはっきり出ているように、今回都市部では逆に小泉政権側に勢いがある。

…ということで、個人的にはわりと結果が明らかな選挙かなと現時点では思う。カトリーナがブッシュをしばき倒したような異変がない限りたぶん変わらない、というのが私の一個人の感想。もちろん、そういう情勢の中でどう投票するかは有権者各自がしっかり戦略的に判断してください。
◇この総選挙(序盤の騒ぎからの情勢)については、坪内祐三氏の『週刊SPA!』連載「これでいいのだ!」での「小泉政権は頭ではおかしいと分かっていても、体が反応してしまう」という趣旨の発言に最も納得がいった。
◇それでは、この選挙とその後の情勢についても、相変わらず大雑把(かなり美化すれば「大局的」)なところで書いてみるのが、以下2つのエントリである。健全な庶民の方々は直覚的に了解されている類のことであるが、それを能う限り明快に言葉にしてみる。

*1:福田::漂泊言論 - FC2 BLOG パスワード認証」や「http://www.asvattha.net/soul/index.php?itemid=437#more」で言われる通り、選挙だけが政治ではないのはもちろんながら。

*2:ライブドアのバカなブログ言論統制について、みなさま教えて下さい。 - 木走日記」、「ブログと文春と公職選挙法と報道の自由について考察する - 木走日記」。当事者になってみて分かる法律の重み。

*3:そういえば、毎日新聞岩見隆夫氏が先週の『サンデー毎日』連載「サンデー時評」で、森・小泉「干からびたチーズ事件」を本気だと思っていて裏切られたと書いていたが、逆にあの記事は本気なんだろうか(やっぱりわざと批判してるだけか)? 誰が見ても最初から仕組まれた茶番(「とりあえず解散回避の努力はしましたよ」ポーズ)だと思っていたのだが…。

*4:それにしても世代交代が進んで、いわゆる「大物」(に見える)政治家は本当に全国的に少なくなっていて今更ながら驚いた。