2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【4】 最上級指揮者の条件と世界の指揮者勝手番付

魅力的な指揮者の特質 ◇渡邉のシベリウスやマーラーを聴いて受けた衝撃と充実感は、例えばバルビローリのマーラー、ケンペのブラームス、マルティノンのサン=サーンス、コンドラシンのラヴェルなどを聴いた際の衝撃・充実感と全く同質であった。出谷啓氏が…

【3】 渡邉暁雄のシベリウス:交響曲全集(1981年)(デンオン)

◇全集についても、いつのまにかこんなに手に入りやすいかたちでリリースされていたとは。昨年7月に再発のデンオンCOCQ-84283~6。4CDでわずか3,675円!*1。デンオン(コロンビア)さんありがとう(最近マタチッチのシリーズが出たが、渡邉暁雄もシリーズ…

【2】 渡邉暁雄のシベリウス、ラフマニノフ、ラヴェル、マーラー

シベリウス:交響曲第1・4・7番(TDKコア)・第2番(EMIアポクリファ) ◇さて、ここまで聴いた私は慌てた。そ、そ、そういえば、上記CDを買ったタワレコで、ちょうど1枚1,050円のスペシャル・プライスで渡邉暁雄指揮ヘルシンキ・フィルのシベリ…

【1】 渡邉暁雄のグリーグと日本の管弦楽作品

◇渡邉は、「日本の」という限定を付けるのが馬鹿らしいほどの最上級の指揮者であることを、以下縷説するが、今回、渡邉暁雄の演奏にどのように入り込んでいったかというところから書いておきたい。それは、かなり変わったアプローチだった。 グリーグ:ペー…

 渡邉暁雄を8大最上級指揮者に選定す!(付・日本の管弦楽、山岡重信・田中希代子・原智恵子、世界の指揮者勝手番付)

◇「渡邉(渡辺)暁雄のシベリウスは良い」という世評を知ったのはいつのことだったか。かなり前から知っていたはずだが、シベリウスの交響曲全集としては、これもバイブル扱いされているベルグルンド盤(ヘルシンキ・フィル、EMI)*1、バルビローリ盤(交…

 書評『日本思想史ハンドブック』

◇2月末に近所の本屋に行って、普段はチェックしない「哲学・思想」コーナーが「ふと気になって」覘(のぞ)いて、見つけたのがこの本だった。以前取り上げた『概説日本思想史』*1は出版後1年半も見逃していたのに、この本を出たばかりで見つけることができ…

【8】ロストロポーヴィチ指揮ナショナル交響楽団★★★★☆

1992年10・11月 テルデック1997年(9031762622) 68:56(16:34/21:46/14:32/16:05) ◇この演奏も今回の聴き直しで大きく印象が変わった。8種の中で最も長大。第1楽章の静謐さはロジェストヴェンスキー盤からさらに徹底された感じ。 1.祈りの静けさ、…

【7】北原幸男指揮NHK交響楽団★★★★☆

1992年3月25日ライブ(NHKホール) コッホシュヴァン1993年(313272) 66:42(17:14/20:26/13:42/15:27) (画像なし) ◇圧倒的に聴き慣れているのと思い入れが強いので、いまさら客観的に評価するのは難しいが、今回の聴き直しの後もやはり私の中の…

【6】ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団★★★★

1989年12月スタジオ ドイツ・グラモフォン再発1998年(4594152) 54:49(13:49/17:01/10:30/13:30) (初発盤) ◇今回の聴き比べのために急遽購入。前から存在は知っていたし、ヤルヴィ盤はリムスキー=コルサコフやグラズノフの管弦楽曲の決定盤にしてい…

【5】ロジェストヴェンスキー指揮ソヴィエト文化省交響楽団★★★☆

1983年スタジオ BMG1998年(メロディア音源)(74321634612) 65:08(17:58/22:26/9:59/14:45) (画像なし) ◇今回の聴き直しで最も印象が変わった録音。特に、第1楽章の雰囲気は、本当に凍てつくようで、群を抜いて素晴らしい。おそらく演奏史上で…

【4】コンドラシン指揮モスクワフィルハーモニー管弦楽団★★☆

1973年9月7日スタジオ アウロス(メロディア音源)2004年(AMC2043) 53:54(12:30/17:28/10:28/13:24) (BMG国内盤) ◇打楽器の刻み・弦の泣き・金管の鳴り、どれをとっても不満はない。しかし、コンドラシン特有のテンポの速さ(ストラヴィン…

【3】クリュイタンス指揮フランス国立放送管弦楽団★★★★

1958年5月19日スタジオ テスタメント(EMI音源)1996年(SBT1099) 59:50(15:32/17:53/13:59/12:25) ◇トランペットのシグナルなどフランス的な色気と柔らかさを感じてしまうが、指揮はロシアものには向いており、ショスタコーヴィチ臨席という象…

【2】ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルハーモニー管弦楽団B★★★★☆

1959年2月2日スタジオ メロディア2004年MELCD1000775 60:18(15:28/18:23/11:29/14:43) (国内盤) ◇ステレオ録音でライブに比べてより普遍的な演奏に仕上がっていて広くお薦めできるが、フィナーレはライブの強力さに負ける。 1.ライブに比べ…

【1】ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルハーモニー管弦楽団A★★★★

1957年11月3日ライブ(レニングラード初演) ロシアンディスク1993年(RDCD11157) 56:23(14:47/16:49/11:29/13:17) ◇モノラルなのだがそんなことは途中でぶっ飛んでしまう壮絶な演奏。ムラヴィンスキーのショスタコーヴィチについては、一時期、…

 ショスタコーヴィチ交響曲第11番8種聴き比べ(ダスビ感想外伝)

◇第11番の聴き比べ(ムラヴィンスキー2種、クリュイタンス御前演奏、コンドラシン、ロジェストヴェンスキー、ヤルヴィ、北原、ロストロポーヴィチの計8種)のつもりで書き始めた(それもかなり無謀だったが)が、どちらかというとそれに至る理由の方が本筋…