学芸短信

 『アジア辺境論 これが日本の生きる道 』(集英社新書)

◆最近、内田樹の議論を以前ほど丁寧に追っていなかった。 そのせいか、昨日書店で何気なく『アジア辺境論 これが日本の生きる道 』(集英社新書)を手に取りページをめくったところ、 「共和制」と「グローバリズム批判」との関係についての実に瞠目すべき議論…

川口市制80周年記念「至宝の日本画展」(11/11まで)

◆川口駅前の総合文化センターリリアでは、以前にもモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの手稿展示などの小規模な無料展覧会が行われていたが、今回は市制80周年記念ということで、箱根・成川美術館から日本画約40点の出品。期間が11/11までと短いが…

 「没後400年特別展 長谷川等伯」での体験

◇会期も短いので取り急ぎ書いておくが、先日「没後400年特別展 長谷川等伯」に行ってきた(東京国立博物館・平成館にて、3/22まで)。この10年ほど、雪舟、琳派、円山応挙、横山大観、川端龍子*1、加山又造など、日本画系の大型展には、割合マメに出かけて…

 書評『日本思想史ハンドブック』

◇2月末に近所の本屋に行って、普段はチェックしない「哲学・思想」コーナーが「ふと気になって」覘(のぞ)いて、見つけたのがこの本だった。以前取り上げた『概説日本思想史』*1は出版後1年半も見逃していたのに、この本を出たばかりで見つけることができ…

 靉光展に行ってきた

◇生誕100年記念の「靉光(あいみつ)展」*1に行ってきた。戦時期日本の重要な画家の大規模な回顧展。会場は、竹橋の東京国立近代美術館(MOMAT)――近年「アジアのキュビスム」*2「琳派」など企画力のある展覧会が続いており、私にとっては最も行く機会が多い…

 書評『概説日本思想史』

◇以前も取り上げたことがあるが、Amazonに投稿した『概説日本思想史』*1のレビューをこちらにも載せておく。字数などの関係で省略したところも補足した。 日本思想史学の水準を示す、待ち望まれた概説書 ◇日本思想史学の水準を示す分担執筆の概説書としては…

 川端龍子展(江戸東京博物館)ご紹介(&近代文化の再評価)

◇早くしないと終わってしまうので、取り急ぎ展覧会のご紹介。川端龍子(1885−1966)は、大正期から昭和40年代に活躍した日本画家。洋画からスタートして、独自に日本画に取り組んだというのが特徴。型破りの大作を次々と製作し、「近代日本画の異端者」「在…

 文芸評論家・安藤礼二氏の近現代日本思想史での大活躍(&「日本思想史」「アカデミズム」への心からの毒づき)

◇どちらもすでに先月出ていたようだが、安藤礼二氏に焦点を絞って本と雑誌の2冊を紹介。ついでに、またまた人文系アカデミズムについて。 KAWADE道の手帳『西田幾多郎 没後60年・永遠に読み返される哲学』 ◇立体的な雑誌型編集で、哲学者・西田幾多郎のテキ…

 福田和也「司馬史観」と闘う

「福田和也の闘う時評159:論文が作品になる学者」 from『週刊新潮』(13日水曜日発売) ◇福田和也が右翼的言説を展開しつつも「司馬史観」に否定的なのは自明かもしれないが、その立場を示すコンパクトで新しい事例として、上記記事の要点を紹介。 ◇記事は…

 岡倉天心展の雑感

◇始まってから大分経つが、神宮前のワタリウム美術館で開催中の「岡倉天心展・日本文化と世界戦略」に行ってきた(6/26まで開催)。ここは、普段は私立の現代美術の専門館ということだが、一方で7年前から、近代に日本美術の伝統美の再発見を支え、それを…

 斎藤環氏、八木秀次氏を大いに笑う

◇「ちくま」5月号*1に出ている、斎藤環氏の「『家族』は遺伝するだろうか」(連載・家族の痕跡21)が面白い。八木秀次氏の「女性天皇容認論を排す」*2に示されたような男系天皇正統論の弱点を示す。例えば、神武天皇のY染色体は現代日本人男性に数千万人規…