音楽短信

オーケストラ・ダスビダーニャ第22回定期演奏会を振り返って

◆いよいよ明後日1月31日に第23回オーケストラ・ダスビダーニャ演奏会が迫っているが、都合によりお蔵入りになっていた昨年の第22回の感想を上げて、今回への予告としたい。 ◆当日は、ホール手前のラウンジでプレコンサートが行われた。開場時間が開演の1時…

オーケストラ・ダスビダーニャ第21回定期演奏会の感想〜アンネ・フランク、ウクライナ、日本社会をめぐる理想と現実〜

◆今年もオーケストラ・ダスビダーニャの演奏会に行くことができた。喜ばしからずや。今までにないほどのさらに充実した演奏を聴くことができた。また楽しからずや。音楽としてあくまで上質でありながら、音楽を超えたものを示す。また君子ならずや。 ◆何やら…

 オーケストラ・ダスビダーニャ第20回定期演奏会の感想〜ショスタコーヴィチ交響曲第4番について4ヵ月近く考えたこと〜

Shostakovich Symphony No.4 - Trickster,Tyranny,Mystique,Mahler. An Essay on Orchestra "Do Svidanya" #20 Concert ◆私にとって13回目のダスビ(オーケストラ・ダスビダーニャ - Wikipedia)定期に臨席したのが3月3日。昨年の3.11後ちょうど1年後の…

第18回オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会の1年遅れの感想〜東日本大震災1年の定期演奏会へのはなむけに〜

◆ここに掲げるのは、2011年2月20日にすみだトリフォニー大ホールで行われた、標記の演奏会(長田雅人指揮)の感想である。ダスビの演奏会は毎年定例的に聴かせていただいており、感想も2006年の第13回以降、当ブログで毎年書いていたのだが、一昨年のものは…

 ナデージダ公式動画YouTube掲載!

◇2年半ぶりくらいでまた忙しくなり、お約束のダスビ感想も書けないまま(今しばらくお待ちください)。はてなダイアリーの書き方を忘れていて愕然とした今日この頃。 ◇プロアマ混成によるオーケストラ・ナデージダの、私も聴いていた演奏会から、忘じがたい…

 丹千尋ほかの「室内楽の夕べvol.4」の感想

(当日に20行くらいで書こうと思ったのだが、また長大に。今年のダスビ感想はしばらくお待ちください。って、待っている人いるのか? 「一年遅れ」が多少検索に引っかかってますが。) ◇東京では珍しい一日雪の休日(2月11日のことです…)。私は出勤でした…

 第17回オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会の1年遅れの感想、または、ショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第2番」の本義について

◇昨年2月11日に標記の演奏会に行ったのだった(指揮は言うまでもなく長田雅人氏、すみだトリフォニーホール、以下楽団名はダスビと略す)。2月17日に感想を団長様宛FAX送信しているのだが、ブログ上では結局書き損ねたままだった。理由としては、自分が…

 杵屋正邦の「風」「第5風動」

◇2005年の記事で紹介した「現代邦楽のバルトーク」こと作曲家・杵屋正邦(1914-96)を再び紹介。邦楽演奏会では杵屋正邦の作品は定番の1つだが、一般に聴かれる機会は少ない。特にクラシック・ファンにはお勧めしたい。 ◇まずは聴かないと話にならないとい…

 第16回オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会の感想

◇2/15(日)に、恒例のダスビ定期演奏会に参加(池袋・東京芸術劇場)。もちろん私はもっぱら聴く方ながら、本当に年に1度のお祭りに「参加する」という気分になっている。そんな立場からできることといえば、客席で「音楽」を満喫し、それとともに何だか…

 スヴェトラーノフのミャスコフスキー交響曲全集を10倍楽しむ方法?

◇政治問題、事件、災害打ち続く中ではあるが、私は今しばらく音楽や学芸について語っておきたい。例によって長い(HTML記号を入れて14,000字超)が…。 【目次】 方法1「交響曲から聴かない」 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 方法2「番号順に聴かない」 - …

 青澤唯夫『名指揮者との対話』(春秋社2004年)

音楽を聴くのは生きる意味を問うことだった。だから音楽を通じて自らの人生を生きる指揮者たちのことを彼らの言葉に即して書きたいと思っていた。二十世紀という激動の時代を多くの困難に耐えながら、時には戦乱のなかで命をかけながら音楽を支えに生きた指…

 渡邉暁雄38CDs聴き倒れの記(その1)

◇私の望みは満たされた―。私が8大「最上級」指揮者の1人に選定した「渡邉暁雄の指揮で幅広いレパートリーを聴きたい」という前回エントリで記した希望は、日本フィル、TOKYO FM、デンオン、フォンテック、日本シベリウス協会などからリリースされて…

 渡邉暁雄を8大最上級指揮者に選定す!(付・日本の管弦楽、山岡重信・田中希代子・原智恵子、世界の指揮者勝手番付)

◇「渡邉(渡辺)暁雄のシベリウスは良い」という世評を知ったのはいつのことだったか。かなり前から知っていたはずだが、シベリウスの交響曲全集としては、これもバイブル扱いされているベルグルンド盤(ヘルシンキ・フィル、EMI)*1、バルビローリ盤(交…

 ショスタコーヴィチ交響曲第11番8種聴き比べ(ダスビ感想外伝)

◇第11番の聴き比べ(ムラヴィンスキー2種、クリュイタンス御前演奏、コンドラシン、ロジェストヴェンスキー、ヤルヴィ、北原、ロストロポーヴィチの計8種)のつもりで書き始めた(それもかなり無謀だったが)が、どちらかというとそれに至る理由の方が本筋…

 第15回オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会の感想

◇ここのところすこぶる多忙だったわけだが、これは行かなくてはならない。ショスタコーヴィチ専門アマオケの年に1回限りの定期演奏会*1。しかし、他の人も言うように(本エントリ末尾の感想リンク集参照)、セミプロかある意味ではプロ以上のオーケストラであ…

 大指揮者ロストロポーヴィチを悼む

◇4/28、新聞でロストロポーヴィチの訃報に接する。チェリストとしては多くの人が書いているので、指揮者・ピアニストとしての側面に触れた3/9の一文を再録する。 [ショスタコーヴィチの交響曲第15番について]パッサカリアの入念な歌い込みなどから、…

 オーケストラ・ダスビダーニャ第14回定期演奏会の感想

◇前回のダスビ定期のエントリ*1から1年以上経っているのが、信じられない。30代になり、子どもができてからというもの、1年間が「20代までの3ヵ月」くらいの感覚で過ぎていく…。 ◇さて、3月4日(日)池袋・東京芸術劇場大ホール、標記の演奏会に行ってき…

 AKGミニ・ヘッドホンK26P購入

◇私はあんまりオーディオのハードの方にお金をかけない人なのだが(ソフトにかけ過ぎで)、今回、ミニ・ヘッドホンを購入。前からのものは、どこの電器店でも売っている2,000円台の開放型で、音漏れは多く、外部音で聴こえない、スポンジ剥がれかけという悲…

 オーケストラ・ダスビダーニャ第13回定期演奏会の感想

◇行ってきました。以下、アンケート用紙に書いた感想を再構成したもの。 劇音楽「ハムレット(ガムリェート)」による組曲Op32a (まず前提として解説:『ハムレット』は普通に、デンマーク王子の運命を描いたシェークスピア作品でいいのだが、ショスタコー…

 ショスタコーヴィチは「反体制のヒーロー」扱いされているか?

◇私は音楽評論の類はほとんど読まないのだが(例外は片山杜秀氏のNAXOS「日本作曲家選輯」解説くらい)、渡辺和彦氏の「ショスタコーヴィチの肖像〜もう一歩聴き込みたいリスナーのために」という連載が目にとまった(山野楽器店頭で無料配付の『Varie』1月…

 Musical Batonが回ってきたものの…

◇一日中、持ったまま走ってました(遅くて申し訳ない)。同年輩のid:sanhao_82さんよりいただきました(いつぞやは変なTBで失礼)。(あまり書いていない)[音楽短信]記事を見ていただければ分かるように、私の趣味は超偏っていて一般性がないぞ。 ◇では、…

 杵屋正邦の「風動」「第3風動」

◇また前回書いた現代邦楽の話題から(なかなかクラシックにたどりつかないが、たまたまです)。なにしろ「日本音楽の巨匠」シリーズから2枚を首尾よく(新開店後1年にして初めて行った)新宿ディスク・ユニオンで手に入れたので。この2曲が入ったCDをわざ…

 ついに出た! 現代邦楽の新譜!

◇いきなりクラシックから外れとるがな!という突っ込みもこないほどマイナーなネタで、最初から客が引きそうだ。「現代邦楽」というジャンルをわざわざ聴く人は日本にどれくらいいるのか? 演奏者より少ないかもしれない(失礼) ◇最近でこそ、廉価盤のNAXOS…

 新カテゴリー・スタート!

◇さて、温存していたクラシック音楽ネタをついに扱い始めよう!(今日、友人の結婚式の2次会がノリノリで楽しかった上、クラシックの話題で話せる人がいて、少し浮かれている)ただし、クラシック音楽は、人によって趣味が極めて多様化しているのが特徴だ。…