2005-06-30から1日間の記事一覧

【1:問題と方法の確認】

◇東氏が90年代から一貫してこだわり続けているのは、現在の私たちが置かれている時代についての状況認識である。この一点への認識の一致がないために、東氏は、前回少し触れたように笠井潔氏*1と決裂し、さらに、大塚英志氏と多くの理解を共有しながらも袂を…

【7:次回以降の予告】

◇なお、一応今後の予定としては、 東氏を「かみくだく」:「動物化」論、権力/自由論、子育て論、哲学論 「嗤う北田の『リベラリズム』」 日本リベラリズムの本義 といった内容を予定していますが、全部書ききれるかどうかは分かりません。

【6:東浩紀の日本社会論の射程】

◇さて、そこで「日本社会」論を名のっている『動ポモ』に立ち戻って、「日本社会」についてどのような状況認識がされているかだけ確認しておこう。ただ、結局この本は以上のような哲学的背景を持ちつつ、オタク系文化だけを素材に論じた本なので、「日本社会…

【5:東浩紀の日本社会論の背景】

◇ということで、ようやく東氏の『動ポモ』とリベラリズムの関係が少し分かってきた(まだ、『動ポモ』の本題には入っていない)。ここで、もう一度1998/99年の講演/論考「郵便的不安たち」(以下、引用は『郵便的不安たち#』)*1に戻って、東氏が『動ポモ…

【4:「大きな物語」の機能不全とシミュラークルの全面化】

◇こういう認識を背景にすれば、1970年前後に「大きな物語」が終わった(機能不全)というのは、理解しやすい。「大きな物語」とは、具体的に言えば、「近代国家」のイデオロギー(「国民国家」の一体感=国家目標にすがる、日本なら文明開化や天皇制や高度成…

【3:「ポストモダン」という時代認識】

◇ポストモダンとはどのような時代を指すのか。「モダン」は、近代/現代の意味で使われるわけで、「ポストモダン」とは近代以後(特に1970年代以降の文化的世界)をとりあえず意味する(以下、「ポモ」と略記する)。「近代以後」では分かりにくいが、一時(…

【2:『動ポモ』を初歩からもう一度?】

◇東氏の2001年の著作『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』*1は、東氏が現代思想の領域で高い評価を得た後、より一般向けに発表した著作である。新書版で、一見誰でも読みやすそうな体裁の本である。しかし、この本は、それに先立つ講演/論考…

 東浩紀・北田暁大は「学問オタク」か? (その2)

批評家・東浩紀氏の思想を儒教=仏教=神道的に「かみくだく」 1.「ポストモダン」の状況認識篇 目次 【1:問題と方法の確認】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【2:『動ポモ』を初歩からもう一度?】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【3:「ポストモ…