毎日ボートマッチ(えらぼーと)結果

◇私の各党との一致度(%)は例えば下記のとおり。

政党 全体 憲法 外交 財政・経済 くらし 政治の仕組み 国のかたち
民主党 45 28 32 28 44 60 71
自民党 34 41 23 29 21 30 61
みんなの党 33 37 28 7 24 39 63

結果詳細 政治 - 毎日新聞
◇以前と同様、憲法や安全保障ではやや自民党寄りだが、今はどちらかと言えば内政重視の時と考える。みんなの党は、顔触れ・主張から「経営者政党」の感がなくもないし、どれだけの勢力になれるのか疑問、財政面からも非常に合わない結果となった。自民党は人材払底の感を否めない。その他は言わずもがな(自民党脱退互助会か、主義主張が空想的か)。
◇ところで、衆参国会議員の定数削減なども話題になっているようだが、歳費等を1人/年3,500万円とし、衆参で200人削減したとして、70億円。事業仕分けで捻出されたとされる2兆円(無駄削減公約7兆1,000億円よりは確かに少ないが)の100分の4に達しない。本当に意味があるなら節約にはなるかもしれないが、偽争点もはなはだしい。国政の運営のため、官僚をコントロールするため、政治家をケチってどうするのか?
◇個人的には民主党単独過半数を望みたいが、菅総理の不用意さにはちょっとがっかりさせられた。ここで間違えば、ゼロ年代後半の末期自民党他連立政権下の停滞の再現となるほかない重要な局面だと思うのだが。相変わらずメディアの報道姿勢も低劣だ(あたかも国の方向を必死で誤らせようとするが如き挙げ足取りの繰り返し)。しかし、それ以上に民主党の街頭活動の覇気のなさはどうかと思う。昔ながらの選挙カーのうるさいのは最悪だが、せっかく街頭に立ちながら「勝つ気」すら感じられないのではやってる意味がない。
そもそも世論調査結果に引っ張られてどうするのか? 国を、世論を先導していくのが政治家の仕事ではないのか? 集合的知性の時代であっても、やはり民衆はあらぬ方向に蠢いていく。それを正す気概を持つぐらいでなければ、国政など担えるはずがないではないか。
◇とそんな感じで、候補者選びにも熱が入らなかったので、毎日新聞えらぼーとは従来以上に役に立った。選挙区・比例ともに迷いが消えた。

 「消費税増税論」について

◇先日、菅総理大臣の実現前に、私は反小沢の文脈で「消費増税なしの10年後の日本をもはや私は想像することができない」と書いた(「今こそ民主党政権を徹底的に支持する。 - ピョートル4世の<孫の手>雑評」)。
◇ニュースの画面には、ワールドカップに便乗して爽やかそうに意気をあげている人や、今に至ってなおできもしないことを放言している人たちが映っている。私の目には、偽善が過ぎるのではないかと見える。いや、偽善にすらならず、単なる無責任だ、と言うべきだろうか?
◇確かに、民主党マニフェスト修正手続きとしては、十分な説明がなされているとは言いがたい。しかし、この10数年来の日本政治は、小泉時代の「任期中には消費税を上げない」を含めて、いわば「いかに国民が納得する形で消費税を上げるか」を巡って揺れ動いてきたと言っても過言ではない。
◇さらに遡れば、大平内閣以来30年を超えて引き継がれてきた問題だと言える(「消費税 - Wikipedia」)わけで、その意味では90〜00年代の(主に自民連立政権下の)政治も、歩みは遅いながら、国民への自覚を促してきたと評価できる。誰だって負担が軽いに越したことはないわけだが、そろそろ文字通りの「年貢の納め時」ではないだろうか。
◇むろん仮に増税が実現したからといって、財政は当面苦しいままだし、景気落ち込みのリスクがある。それでも1970年代以来の構造の歪みを正していくための数少ない好機が訪れつつあると思うし、そのように正面から道を進むのが、結局私たちらしい行き方なのではないだろうか。

 今こそ民主党政権を徹底的に支持する。

◇昨年、選挙前夜に一文(「「変革」の前夜に寄せて - ピョートル4世の<孫の手>雑評」)をものしてから、また例のごとくのドタバタで言論を放置、そして本日の鳩山首相辞意表明に至った。
◇確かに鳩山政権の普天間移設問題への取り組みは、その初発から極めて稚拙だった(毎日新聞5/31朝刊の「検証 普天間移設」という丸2面に渡る記事に詳しい)*1。しかし、だからと言って、日本国民の誰が鳩山首相を批判する資格があると言うのか? この点において、私は沖縄県民にすら一切妥協する気はない(ついでに言えば、最近八重洲でよく行なわれている「沖縄基地移設反対デモ」は鳩山政権の少なくとも50倍くらいは稚拙な印象を与えるものだ)。
◇今ここに至っては、私はただ菅直人総理大臣の登場を切望する。1996年、民主党結党に先立ち、橋本内閣で厚生大臣に就任した菅直人は、官僚の資料隠しを初の「大臣命令」でコントロールし、厚生大臣としての被害者への謝罪を実現させた*2。1998年、金融再生法案を小渕内閣に丸呑みさせた(菅直人はあえてそれを政局にしなかった)*3。これらは言わば、「政治主導」の本家本元が菅直人であることを示している。これらの行動がなければ、私たちは「政権交代」や新しい政治のイメージすら描くことができなかったはずである。
◇むろん、この状況で、仮に「菅直人首相」が実現したとして、事態が急に好転することはない。いわゆる反小沢(仙谷・野田・前原・枝野)こそ、この民主党政権の本流と考えたいが、一方で現実的な権力基盤としての小沢グループから距離を取る訳にもいかない。この困難な権力の分裂構造を克服できるのか? 菅直人は、単なる市民主義的な政治家ではなく、現実的で鋭い政治的嗅覚をも備えている、という一点に賭けてみたい。私にはこの選択がせめて現実的なものに思える。みんなの党の歯切れの良さに期待する人は別にそれでよい。しかし、みんなの党にはまだまだ現実的な権力基盤が整っているわけではない。
◇それにしても、小沢一郎がここまで醜悪なバラマキ政治家根性を剥き出しにするとは、全く意想外であった。もはや小沢一郎の政治感覚は、90年代にその新鮮な議論から影響を受けた私たち国民の意識とは決定的に乖離してしまった。小沢一郎には政治の世界からの完全な退去を希望する。消費増税なしの10年後の日本をもはや私は想像することができない。鳩山の「親指立て」は「小沢を切ったぞ」という意思の表現だったという説がある。せめてこの置き土産を今後の民主党政権に活かしてもらいたい。
◇小沢・鳩山の政治資金問題は、昨年の選挙前から週刊誌レベルでは完全に周知のものだったので、いわゆる「政治とカネ」の問題で不支持を煽ったメディアには全く呆れ果てる。そんなことは初めから分かっているはず! むろん決して良い事ではないが、民主党政権が出来上がって以後にこれらを問題として認識したというのはあまりにカマトトが過ぎる。なお、民主党政権マニフェスト実行状況は毎日新聞の「鳩山政権の通信簿」参照(「政治 - 毎日新聞」)。
◇「小泉以後」の「政権使い捨て」がまた繰り返された。鳩山政権の支持率・不支持率が綺麗に逆転していくグラフ。その中で残った20%弱の支持。誰が無定見なのか、誰が指導力を失っているのか、よく考えてみる必要があると思っている。
◇今日この事態を通じて、私ははっきりと「反小沢」の立場となり、そして、根深いレベルでは「反米的」な無意識が確立したように思う。

 「没後400年特別展 長谷川等伯」での体験

◇会期も短いので取り急ぎ書いておくが、先日「没後400年特別展 長谷川等伯」に行ってきた(東京国立博物館・平成館にて、3/22まで)。この10年ほど、雪舟琳派円山応挙横山大観川端龍子*1加山又造など、日本画系の大型展には、割合マメに出かけていたのだが、その掉尾を飾るような素晴らしい展覧会だった。
◇中盤に置かれた、金地に緑が鮮やかでデザイン的な完成に達している「萩芒(すすき)図屏風」を見た段階でゾクッと来たのだが、最後の「松林図屏風」を見た瞬間には、総身を薫香に洗われたような感動が走った。近づいたりあるいは図版にしたりしてしまえば、何と言うことのない墨の線に見えるものが、5メートルほど離れた位置からは、正に霧煙る中に見え隠れする松林の情景となる、という奇蹟的な作品である。
◇音楽においては、心身を震わすほどの感動を何度となく味わっているが、絵画によってそれに匹敵するような感銘を受けたのは初めての経験だった。たまたますれ違った年配の白人女性が日本語で「鳥肌〜」と漏らしていたが、正に「国宝」である。こうした美的達成の伝統のある国に生まれたのは誇ってよいと思う(それを「美しい国」などと言い換えると、なぜあそこまで陳腐でバカげたものになるのかはまた不思議なところだが)。
◇また、今回の展示は、照明が秀逸であり、作品の美質を十分に引き出している。作品保護のために、間接照明とはいえいかにも暗い…といった場合もあるのだが、今回の展示は実に適度な明るさで、殊に水墨画は描かれた情景が映像のように浮かび上がってくる、という環境を実現している(その代わりなのか、会期はとても短い25日間)。
◇これらに加えて、高さ10メートルになんなんとする巨大画「仏涅槃図」などもあり、特に日本画など見たことがないという人でも、1,500円出す価値は十分にあると思われる。とにかくこの質感は現物で体験するよりほかにないので、お勧めしておきたい。

【3】 「政権選択」後に向けて(混乱か成熟か、二大政党制か一党長期政権制か)

◇仮に、情勢報道のような結果が出るとして、絶対安定多数269議席を超えた場合、もはやそれ以上の議席数は(3分の2の320議席ラインを除けば)あまり大きな意味を持たない。むしろ、新人議員の多さや秘書不足などの不安定要素が増すと言えるかもしれない。そして、むろん選挙の結果以上に、選挙後の政権運営が今後の焦点であるのは間違いない。
◇以下、やや観念論(理想論・精神論=(ア)イデアリズム)的な議論になるが、当ブログには現実論(リアリズム)偏重の風潮に対して異議を唱えているようなところもあるので、好きに書いておく。
◇8/24放送の『報道ステーション』で、興味深い世論調査結果が紹介された。ごく一般的な、内閣・政党支持率や投票先、個別問題への賛否に加えて、イメージに当てはまる政党を訊いており、その結果から今後の政治体制を読み取る手がかりが得られそうだ。
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/200908_2/index.html
◇自民/民主に注目して結果をまとめる(順序・表現を変更した)と、以下のようになる。

A「日本経済を一番成長させる政党」:自民26.3%/民主15.5%
B「日本の安全を守るのに一番頼りになる政党」:自民42.1%/民主9.3%
C「行政のムダ削減に最も真剣な政党」:民主44.4%/自民7.0%
D「官僚に対して、政治指導力を一番発揮できる政党」:民主党30.8%/自民23.3%
E「国民生活に一番手厚い支援を打ち出している政党」:民主32.3%/自民11.3%

この結果によるならば、民主党への政権交代という民意が示したとしても、それはC・Dの改革志向とEの再配分への切実な希求に由来するものである、ということが言える。これは、前回のエントリで、私の「えらぼーと」結果で示されたのと全く同型の結果である。
◇このうち、C・Dの改革志向については、私が小泉政権を支持していた理由と重なるが、2005年の郵政選挙で小泉自民が圧勝したのもこの理由によるものと推測される。また、安倍・麻生政権期に自民党が国民の支持を失った理由もこのC・Dの改革志向を後退させたことによるものだと考えられる。
◇それに対して、A・Bの経済成長や安全保障については、依然自民党が「第1党」の立場を占めているわけである。この分野では民主党に対する信頼感はまだまだ薄いものであると言わざるをえない。
◇こうしてみると、自民党民主党との間で、下記の役割分担がはっきりとイメージされつつある。

自民党:経済成長(A)、安全保障(B)
民主党:医療・介護・福祉(E)、改革志向(C・D)

このうち、民主党のC・Dの改革志向(≒財政規律回復)と医療・介護・福祉重視(≒財政負担拡大)について、捩れがあるわけだが、それ以外は英米的な「二大政党制」のイメージに近づいている。
◇つまり、

共和党:市場重視、タカ派
民主党:再配分重視、ハト派

の日本版ということになる。
◇もっともこれは、民主党が旧自民党田中派(再配分重視派)の後継だと考えれば、

福田派(清和会)→小泉:市場重視、タカ派
田中派経世会)→小沢:再配分重視、ハト派

の焼き直しだとも言えるわけである。
◇今回の政権選択の焦点としては、小泉改革後の「社会の再構築」であり、先のE論点が国民の最大の関心事となっている。しかし、今後国際情勢が2000年代前半のように緊張することがあれば、その時はまた、Bの論点が前景にでることもありうる。また、福祉政策が一定の安定を得れば、一方でそれを支える経済成長のためのAの論点が再び重視される場合もある。
自民党長期政権内の福田派/田中派交代が、2つの政党に分かれ、また国内・国外情勢により、上記の論点交代がおこるとすれば、今後数年〜10年単位で政権交代が起こる英米図式が定着する可能性がなくはない。
◇しかし、一方で個人的な感覚では、旧来の「自民党的なもの」は、今後の民主党の中に再現されそうな予感がある。そもそも私は、自民党からの「政権交代」を少なくとも1989年ころから待望していたが、その実現後の政党のあり方のイメージとしては、小選挙区制を取ったとしても「第2の自民党」的なものができるのではないかと想像していた。
◇今回の選挙結果の後、自民党がどれだけ再起できるのか、民主党内の多様なグループがどのように動くのか、などの変数によって、今後の中長期的な推移は変わってくるだろう。
◇そして、むろん、交代後の政権成立の手続きがスムーズに進むのかどうかという当面の状況が、今後の政治体制を占う第一歩である。選挙結果がどのようなものであれ、国民の多数の支持を得た政権が期待に応え、山積する政策課題に集中的に取り組める状況になることを切望する。その際には、違う意見を持つ側にも、是々非々のフェアな態度で対応されることを望む。そうした道筋でこそ、私たち日本国民の再統合、社会の再構築の歩みが進むことになるものと考えている。
(補足)
◇現今の「社会の再構築」の課題については、本田由紀氏などの論考を参照。
東浩紀北田暁大『思想地図vol.2 特集・ジェネレーション』(NHKブックス別巻)
芹沢一也ほか『日本を変える「知」』(光文社SYNODOS READINGS)
NHKブックス別巻 思想地図 vol.2 特集・ジェネレーション
日本を変える「知」 (SYNODOS READINGS)
◇また、高度成長期後の「社会再構築」について、私は日本の近世思想史から、成長領域を見失った享保期以後に自己の依って立つ基盤を体得することを論じた石田梅岩の性理学(後の石門心学)を参照している。これについて、また、議論の前提となる基礎的な情報を整理しておきたいと思う。

【2】 民主党は本当に300議席に達するか?

静かな「変革の夏」?

◇今回選挙が果たして2005年郵政選挙と同レベルないしそれを上回る劇的な結果をもたらすのかどうか。肌で感じる熱気や報道の加熱ぶりといった表面の現象では、前回に全く及ばないといっていいだろう。
◇しかし、その一方で繰り返し引き伸ばされてきた解散時期、小泉改革以後に顕在化した社会の底抜け状況(問題そのものすでに90年代前半に始まっていたというのが、小泉政権を支持した私の見解である)から、国民の選挙への関心は高く、40日の準備期間の間に投票先を決定している度合いが高い。これは各社調査ではっきりしている。
◇その意味では、麻生自民党の間延び(引き延ばし)戦略は裏目に出て、「日本のこれからを考える夏」の結果、自民党が惨敗する結果になりそうだとは言える。
◇実際、解散後の世相は、日食から天候不順(豪雨・日照不足)や芸能スキャンダル(押尾学酒井法子の薬物汚染や大原麗子孤独死)、新型インフルエンザの流行開始など落ち着かないものだが、「考える夏」の趨勢そのものは変わっていないように感じられる。

自民党の自滅傾向?

(以下の論評は、現時点での情勢への感想について、私個人の判断・見解に基づいて記述したものであり、偏った視点が含まれていると自認するものの、特定の投票行動を促すものではない。念のため)
◇また、麻生総理(思わず「」を付けたくなってしまうが)の「民主党批判」は、就任当初からはなはだ印象が悪いが、特に鹿児島の党旗問題では、麻生氏自身が「国民の分断を煽ろうとするかのように」顔を歪めて批判しているのは、はっきり言って醜悪であった(…と個人的には判断する)。
民主党マニフェスト見直しなどに際しては、「ブレた」という批判を投げかけていたが、「いったんそうと決めたのに、周囲の圧力に屈して実行できなかった」という事例を自身が何度となく繰り返して批判された言葉を、実行前の現実的な方針変更に際して使用する神経を疑わざるをえない。恥ずかしい、という自己認識を持たないのだろうか(…と個人的には疑問を持つ)。
◇加えて、あまり大きくは報道されていないが、以下のような「新自由主義」的な「失言」(確信犯的だが)が、麻生氏また舛添厚生大臣によって繰り返されているようである(…というのが、個人的には気に障る)。

麻生首相>学生集会で「金がねえなら結婚しない方がいい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090824-00000049-mai-pol
麻生首相:まず陳謝を失念 愛知・岡崎で演説
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090827k0000m010011000c.html
舛添厚労相新型インフルは国民の慢心」
http://www.asahi.com/national/update/0819/TKY200908190167.html
舛添厚労相「大事な税金を働く能力があるのに怠けている連中に払う気はない」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090825dde041040013000c.html

◇結婚の問題については、私も職場の先輩から「自分が仕事で独り立ちできるようになって、初めて結婚に踏み切れた(本当に好きでも結婚できなかった女性もいた)」ということを、やんわりとたしなめられたことがあり、結婚に際して経済面をしっかり考えろというのは一般的には正しいことなのだが、現在の社会状況は、「そんなことを言っていると、30代半ばになっても男性の半数近くが結婚できない(その後の見込みも非常に厳しい)」というところに問題があるわけである。
◇また、前回のエントリを挙げると、2日も経たずコメントが付いた(「民主+支持」で検索されたものらしい)。「若い世代に未来を下さい」と題して、言葉遣いは丁重だったし、本来反論に応対するのを厭うべきではないが、民主党の政策についての陰謀論的風説が含まれていたので、一読してまもなく削除させていただいた。
自称「保守」の人間の思考・行動様式が最も左翼的になってしまっている、というのは、櫻田淳氏が繰り返し指摘しているところであるが、某所(2ちゃんねる)で見かけた「自民党ネトウヨが応援していると思ったら、いつのまにか自民党ネトウヨだった」というのが、デタラメと言いきれないのが悲しいところである。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090820dde018010054000c.html
◇雪斎氏が問題にしているが、自民党の再起について心配されるのも当然かもしれない。情勢調査どおりの結果なら、派閥領袖、さらにはつい昔日の総裁候補ですら落選の瀬戸際にいる(さすがに、現職首相の落選はないようだが)。ほぼ確実に当選してきそうなのは、鳥取1区の石破茂農水相ほか数名くらいであり、解党的出直しを迫られる状況である。
再起のための「基礎体力」: 雪斎の随想録

情勢変化はあるのか?

◇新聞各紙の終盤情勢報道でも民主党優勢の流れは変わらないと出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090825-00000503-san-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090828-00000029-yom-pol
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090828k0000m010090000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090828k0000m010127000c.html
ただし、「200選挙区の序盤情勢と終盤情勢を比べると、〈1〉当選有力と当落線上で優位に立っている候補の合計は民主、自民両党ともに、ほとんど変化がなかった〈2〉複数の候補が当落線上で争う接戦区が、53から67に増えた――ことがわかった。」(上記の読売新聞記事)とあるように、自民党に一定程度の巻き返しがあることは間違いない。
◇一方、今週発売の週刊誌記事では、多くが絶対安定多数269議席前後を予想。新聞各紙の大規模調査より慎重な見方という逆転現象がある。中でも『サンデー毎日』が、最も慎重な民主党249議席予想。木走氏も、この予測を材料にして獲得議席投票率でどのように変動するかを詳しく論じている。一方で、ブックマークのコメントに見られるように、意図的に慎重な見方を示して民主党寄りの投票を呼び起こして、毎日本紙とバランスを取っている感がなくもない。
全選挙区を投票率による変動予測をふまえて徹底検証してみる - 木走日記
◇ただ、記事中で、新聞各紙の情勢調査による「300議席予想」は「投票率70%超」を前提しているという部分は、注意すべきだろう。前回、優勢選挙の投票率が67.51%であり、先に触れた「静けさ」でこれを上回るのか、という気もする。当日の天気や「民主大勝」のアナウンス効果によっても、投票率は数%変化し、その結果で接線区の結果が変化していく(木走氏の想定では、投票率1%=10議席)。ただし、昨日までの期日前投票結果は、前回の1.6倍、1100万人近くに達しており、すでに投票率10.5%なので、投票率郵政選挙超え≒選挙結果の郵政選挙超えもありうるのかもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090829-00000067-yom-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090829-00000084-jij-pol
◇さらに、今回は民主党小選挙区で圧勝することによる比例候補者不足により、自民党などの小選挙区落選者に復活が多数出る可能性がある。某所では、こうした情勢を受けて、候補不足分が与党側に流れないように「戦略投票」が議論されたりもしている。まだ2007年参院選の埼玉選挙区定数3に民主党2名当選をさせたようなケースは、戦略投票としてまだ分かりやすいが、小選挙区・比例重複でとなるとややこしい。
◇ごく個人的な感覚としては、やはり多少の揺り戻しがあって、投票率69%程度、民主270〜280議席、自民140〜150議席程度になるのではないかと予測する。これを上回るならば、郵政選挙以上のマグマが動いたということになるのだろう。